マイケルから見る音楽(6) [マイケル・ジャクソン]
Drum magazineの記事を何度か紹介していますが、他の楽器の記事も気になってきてしまい、読んでみることに。。
リットーミュージックからでてるGuiter、Bass magazineはMJ追悼の特集が組まれていました。でもKeyboard magazineには見当たらなくて、Sound & recording magazineにも特集が組まれていました。
Sound & recording magazineは、Amazonの一件だけのレビューの評価が気になって、それならbmrのMJ特集号の方を買おうかなと思っているところです。
Drum magazineもそうですが、やはり記事の内容やそれぞれの楽器の分析は、アルバム「DANGROUS」でがほとんどで、「HIStory」、「INVINCIBLE」は皆無に等しいですね。。この2作が当時の私も含めて、一般的にそれ以前のMJのイメージと違ってしまい、いまだにまだまだ浸透していないのと、所謂「誰々がこの曲のギターを弾いた」的なギターヤローが食いつく内容の記事が書きずらいのがあると思います。
とりあえず今回は「Bass magazine」からっていうか、Bassのことを少し。。。
Bass magazine 2009年10月号
表紙がジャコだし。。。
実は私Drum よりBass magazineの方が数持ってます。何故なら彼が表紙だと買っちゃうから。。
けど、この号は見落としていたみたいです。ジャコに関しては濃ゆい特集ですが、MJに関してはあっさりしてます。カラーでもないし。
見出しは「マイケル・ジャクソンのベース・ライン」
ジャクソン5、ジャクソンズ、MJソロと作品のベースラインの一部を取って五線譜にしてあります。
各セクションにつきバイオグラフィーがあります。
ソロは「OFF THE WALL」「Thriller」でのベースラインを解説しています。その2作ではルイス・ジョンソンは外せないですね。
ルイス・ジョンソンWiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%88)
Get on the floorのベースライン
Get on the floorもですが、「OFF THE WALL」はベースがかなりフューチャーされてて曲全体のグルーヴを決めてるように感じます。またやはりコードチェンジが少なく、リフが印象的です。
お得意のスラップからの、「Billie Jean」!!必見!
http://youtu.be/CighI6lnSkE
「Billie Jean」はコードチェンジがパターン化していて、転調なし!ベースに至っては「people always told me」まで2コードで(F#m7-Bm7)あのフレーズを繰り返す。。
まさにブルース!!!ギターのリフも印象的ですが、シンプルにフレーズを繰り返してギターのグルーヴを生んでいます。あと、ドラムはなんと後からレコーディングしたようで、ベースとキーボードのグルーヴにつられそうだったがドラムはシンプルにする必要があったとチャンスラーはインタビューで答えてます。(チャンスラーのドラムも独自のグルーヴですね。)
「Billie Jean」はR&Bでもブルース色が強いなーと思います。歌詞的にも。。
しかし、月歩いちゃったもんだから、、、。視覚的にも印象付けてしまいました。どんだけ彼にとって重要なメッセージなんだろうか。。
Alex Al によるLouis johnsonベース・ライン
The Brothers Johnson Stomp!
http://youtu.be/STDW7eOhAtY
Alex Alは「THIS IS IT 」の特典映像で、若い頃はジャコやスタンリークラークに影響されたと語っています。
所謂、技術的な部分という意味かな。。
Jaco Pastorius Wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9
Stanley Clarke Wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%AF
スタンリークラークは上原ひろみとのアルバム音源しか持ってないんですが、ジャコはソロアルバム持ってまして(なんせ2枚しかないからね。。)ファンです。その生き様も破滅的で伝説になっていますが、私が惹かれるのは彼の作曲家としての一面でして。そんな彼は、フュージョンベーシストとしてカテゴライズされていることがありますが、彼自身は「俺はバカげたフュージョンなんか好きじゃないよ。俺はジャズとR&Bが好きなんだ。というか、ジャズこそR&Bとも言える。俺はそれを聴いて育ったんだ」(Bass magazine2006年5月号より)と言ってて、私自身とても好きな言葉です。。若い頃プレイしていた黒人地区「Libety City」にちなんで、曲を作っています。
本来はビッグバンドの曲ですが、ピアノを弾くジャコ
http://youtu.be/dTBGjgo1p_E
スタンリークラークはあまり詳しくないんですが、スラップ奏法のイメージがあります。。ソウル、ファンクの影響はかなりありますね。。
ドラマーのスティーブ・ガットとのプレイ!う~んかっちょいい。。
http://youtu.be/Je_iqbgGXFw
アレックスはさらにジェームス・ジェマーソンを再認識したと語っています。
モータウンのサウンドでは、彼のプレイも聴くことができますが、クレジットがない部分も多いため、推測な面もあります。
彼はベーシストにとって伝説で、ジェマーソンがあってのジャコって流かもしれません。どちらもベースという楽器を自由にしたパイオニアだと思います。
ジェマーソンについてはたくさんの方がブログに記事を書いているので、自分は「ふむふむ」と読ませていただいています。
日本語Wikiより詳しく、ジェマーソンの事が分かりやすく書かれているブログより。。http://www.h2.dion.ne.jp/~amefuri/james-jemerson.htm
Marvin Gaye「what's going on」on Bass James Jemarson
ワンフィンガーで出す音は、極力サステイン(音の伸び)を減らしているそうで、ということは、音の粒をはっきりさせ、ベースを控え目ながら歌わせることができるのかなと思います。
また曲の冒頭の部分は、EM7なので、コード的にミ、ソ#、シ、レ#がコードトーンですが、ド#を入れています。コード的に(和声的に)考えると、レ#なのに。
試しにピアノで弾いてみましたが、「ああ、、ぎりぎり、あり!」って感じで、ピアノで弾いてると、このアイデアは浮かばないかも。。でもそのことがベースラインを際立出せ、歌うベースになっていると思います。(コード進行についてはBass magazine 2011年7月号を参考にしました。)
ただルート(根音、そのコードの元となる音)を支えるだけではなく、曲の時間幅(横の線)を感じさせることにより、曲をより自由にしている。そこのところがクラシック(交響曲など)にもつながると思います。
理論を分かったうえで、感覚に意識を持っていくのがやはりすごいなと思います。。
って、、、、MJ、、どこ行ったんだ。。(汗)
ついついBassになると熱くなる。。。
こ、今回はMJと託けて、Bassの事を言ってしまってます。。
でも、MJも幼いころから様々なベーシストを見て吸収してきたと思います。ベースを分かったうえで、年代とともにあえて徐々にベースを外していったMJ。。テディのベース抜き「ニュー・ジャック・スウィング」をインヴィまで引っ張ったことは音楽的に何を意味しているんでしょうか。。
ジャコが、メロディー楽器としてベースを昇天させた後、徐々にベースを裏方に持っていき、曲の全体を見ていた晩年となんか少し重なります。。
(追記)
す、すいません。。ついつい熱くなり、もっとも身近なベーシスト(兄ちゃん)忘れてた。。後、ポールも。。
またの機会に。。(汗)
リットーミュージックからでてるGuiter、Bass magazineはMJ追悼の特集が組まれていました。でもKeyboard magazineには見当たらなくて、Sound & recording magazineにも特集が組まれていました。
Sound & recording magazineは、Amazonの一件だけのレビューの評価が気になって、それならbmrのMJ特集号の方を買おうかなと思っているところです。
Drum magazineもそうですが、やはり記事の内容やそれぞれの楽器の分析は、アルバム「DANGROUS」でがほとんどで、「HIStory」、「INVINCIBLE」は皆無に等しいですね。。この2作が当時の私も含めて、一般的にそれ以前のMJのイメージと違ってしまい、いまだにまだまだ浸透していないのと、所謂「誰々がこの曲のギターを弾いた」的なギターヤローが食いつく内容の記事が書きずらいのがあると思います。
とりあえず今回は「Bass magazine」からっていうか、Bassのことを少し。。。
Bass magazine 2009年10月号
表紙がジャコだし。。。
実は私Drum よりBass magazineの方が数持ってます。何故なら彼が表紙だと買っちゃうから。。
けど、この号は見落としていたみたいです。ジャコに関しては濃ゆい特集ですが、MJに関してはあっさりしてます。カラーでもないし。
見出しは「マイケル・ジャクソンのベース・ライン」
ジャクソン5、ジャクソンズ、MJソロと作品のベースラインの一部を取って五線譜にしてあります。
各セクションにつきバイオグラフィーがあります。
ソロは「OFF THE WALL」「Thriller」でのベースラインを解説しています。その2作ではルイス・ジョンソンは外せないですね。
ルイス・ジョンソンWiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%88)
Get on the floorのベースライン
Get on the floorもですが、「OFF THE WALL」はベースがかなりフューチャーされてて曲全体のグルーヴを決めてるように感じます。またやはりコードチェンジが少なく、リフが印象的です。
お得意のスラップからの、「Billie Jean」!!必見!
http://youtu.be/CighI6lnSkE
「Billie Jean」はコードチェンジがパターン化していて、転調なし!ベースに至っては「people always told me」まで2コードで(F#m7-Bm7)あのフレーズを繰り返す。。
まさにブルース!!!ギターのリフも印象的ですが、シンプルにフレーズを繰り返してギターのグルーヴを生んでいます。あと、ドラムはなんと後からレコーディングしたようで、ベースとキーボードのグルーヴにつられそうだったがドラムはシンプルにする必要があったとチャンスラーはインタビューで答えてます。(チャンスラーのドラムも独自のグルーヴですね。)
「Billie Jean」はR&Bでもブルース色が強いなーと思います。歌詞的にも。。
しかし、月歩いちゃったもんだから、、、。視覚的にも印象付けてしまいました。どんだけ彼にとって重要なメッセージなんだろうか。。
Alex Al によるLouis johnsonベース・ライン
The Brothers Johnson Stomp!
http://youtu.be/STDW7eOhAtY
Alex Alは「THIS IS IT 」の特典映像で、若い頃はジャコやスタンリークラークに影響されたと語っています。
所謂、技術的な部分という意味かな。。
Jaco Pastorius Wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9
Stanley Clarke Wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%AF
スタンリークラークは上原ひろみとのアルバム音源しか持ってないんですが、ジャコはソロアルバム持ってまして(なんせ2枚しかないからね。。)ファンです。その生き様も破滅的で伝説になっていますが、私が惹かれるのは彼の作曲家としての一面でして。そんな彼は、フュージョンベーシストとしてカテゴライズされていることがありますが、彼自身は「俺はバカげたフュージョンなんか好きじゃないよ。俺はジャズとR&Bが好きなんだ。というか、ジャズこそR&Bとも言える。俺はそれを聴いて育ったんだ」(Bass magazine2006年5月号より)と言ってて、私自身とても好きな言葉です。。若い頃プレイしていた黒人地区「Libety City」にちなんで、曲を作っています。
本来はビッグバンドの曲ですが、ピアノを弾くジャコ
http://youtu.be/dTBGjgo1p_E
スタンリークラークはあまり詳しくないんですが、スラップ奏法のイメージがあります。。ソウル、ファンクの影響はかなりありますね。。
ドラマーのスティーブ・ガットとのプレイ!う~んかっちょいい。。
http://youtu.be/Je_iqbgGXFw
アレックスはさらにジェームス・ジェマーソンを再認識したと語っています。
モータウンのサウンドでは、彼のプレイも聴くことができますが、クレジットがない部分も多いため、推測な面もあります。
彼はベーシストにとって伝説で、ジェマーソンがあってのジャコって流かもしれません。どちらもベースという楽器を自由にしたパイオニアだと思います。
ジェマーソンについてはたくさんの方がブログに記事を書いているので、自分は「ふむふむ」と読ませていただいています。
日本語Wikiより詳しく、ジェマーソンの事が分かりやすく書かれているブログより。。http://www.h2.dion.ne.jp/~amefuri/james-jemerson.htm
Marvin Gaye「what's going on」on Bass James Jemarson
ワンフィンガーで出す音は、極力サステイン(音の伸び)を減らしているそうで、ということは、音の粒をはっきりさせ、ベースを控え目ながら歌わせることができるのかなと思います。
また曲の冒頭の部分は、EM7なので、コード的にミ、ソ#、シ、レ#がコードトーンですが、ド#を入れています。コード的に(和声的に)考えると、レ#なのに。
試しにピアノで弾いてみましたが、「ああ、、ぎりぎり、あり!」って感じで、ピアノで弾いてると、このアイデアは浮かばないかも。。でもそのことがベースラインを際立出せ、歌うベースになっていると思います。(コード進行についてはBass magazine 2011年7月号を参考にしました。)
ただルート(根音、そのコードの元となる音)を支えるだけではなく、曲の時間幅(横の線)を感じさせることにより、曲をより自由にしている。そこのところがクラシック(交響曲など)にもつながると思います。
理論を分かったうえで、感覚に意識を持っていくのがやはりすごいなと思います。。
って、、、、MJ、、どこ行ったんだ。。(汗)
ついついBassになると熱くなる。。。
こ、今回はMJと託けて、Bassの事を言ってしまってます。。
でも、MJも幼いころから様々なベーシストを見て吸収してきたと思います。ベースを分かったうえで、年代とともにあえて徐々にベースを外していったMJ。。テディのベース抜き「ニュー・ジャック・スウィング」をインヴィまで引っ張ったことは音楽的に何を意味しているんでしょうか。。
ジャコが、メロディー楽器としてベースを昇天させた後、徐々にベースを裏方に持っていき、曲の全体を見ていた晩年となんか少し重なります。。
(追記)
す、すいません。。ついつい熱くなり、もっとも身近なベーシスト(兄ちゃん)忘れてた。。後、ポールも。。
またの機会に。。(汗)
はじめまして。いつもmari-koさんのブログを拝見させていただいてます!
専門的な立場からMJの音楽を研究されていてとても楽しく勉強になります。‘’マイケルは音楽理論はあまり分かっていず、流れを重視する‘うちの’主人は音楽に携わってますが、TIIのあの場面のやりとりはやはり印象深かったようで何やら難しいことを言ってました。わたしは詳しくはないですがmari-koさんの仰ってること何となく分かります。マイケルは本当に音楽、芸術の申し子なんだな・・と思っています。これからも斬新な発想で研究なさってくださいね(笑)よろしくお願いいたします。
by chico (2011-10-12 21:38)
chicoさん、はじめまして。コメントありがとうございます!
ご主人さんも音楽に携わっていらっしゃるんですね。あの場面についてのご感想を、よろしければ伺いたいです。あそこは観る人によって感想も色々あると思います。
>マイケルは本当に音楽、芸術の申し子
私もそう思います!
これからも私的な目線満載で(笑)お送りします。よろしくお願いします。
by mari-ko (2011-10-13 01:27)
こんばんは☆
ご質問の件、あの場面をみせればいいものの、面倒なので主人には無理やり思い出してもらって(TII、主人も観に行ったので)感想を聞いてみました。。
たいして参考にならないと思いますが・・。あれを見た時に思ったのはやはりMJは理論は持っていない、理屈の人ではないと感じたそうです。MJはあくまでも「自分の呼吸・間」というものをベアデンに伝えたかった、それは本当に一瞬のことで、「先の先か、先の後(剣道の間合いでこういうのがあるらしい)」のようなもので、口で言うのは難しいそうですが、兎に角、感覚でやる人なんだろう。譜面を自分で描くようなタイプじゃないのでは?・・ということ言ってました。下手すれば楽譜も読まない(読めない?)んでは・・と思ったそうですヨ。そういえばマイケルは楽譜は読めない人ではなかったかな?違ってたらゴメンナサイ。楽譜が読めないアーティストって結構いるんですよね~。・・・と、あまり参考になるような感想ではないと思いますが、こんなこと言っとりましたデス^^
by chico (2011-10-14 01:29)
chicoさん、ありがとうございます!!ご主人さんにもお手間とらせてしまいました。でも、興味深いご感想を聞くことができて、嬉しいです。
>「先の先か、後の先」
べアデンのインタビューをネット上で見たとき、「Sizzle」や「Simmer」を使った表現が多かったとありました。間合いの「先の先、後の先」はどちらにしてもその空間や時間を自分のものにしないとできないし、もっと言うとその空間を「支配」しないとできないと思います。そこにうっかりに大和魂を感じちゃうんです。。
私は、楽譜は「デジタル」だと思ってます。所謂「記号」なんです。クラシックの音楽は、現在のように録音など記録するツールが「楽譜」しかなかったんですが、現在は伝達方法も録音など多岐にわたり、楽譜にする必要もなくなってきてるかなと。。なのでMJが楽譜を、読めなかったというより「読む必要がなかった」可能性は十分にあると思います。また、楽譜はMJのようなアーティストには下手すると「不便」になる可能性もあるかなと。。
by mari-ko (2011-10-14 21:34)